2018年~
東日本大震災復興支援の一環として、首都圏の販路関係者(バイヤー)と福島県の小規模事業者のマッチング事業を企画運営。(委託元:福島県、株式会社山川印刷所)
様々な販売チャンネルをもち市場の最前線で活動中のバイヤー陣と、福島県内のモノづくり企業が、コンサルティング・意見交換会・展示会・売場視察・商談などさまざまな形で出会い、ビジネスにつなげる機会をご提供しています。

●2018~19年度 首都圏からバイヤーが浜通りを訪問する「バイヤーツアー」を実施
●2020~22年度 コロナ禍のためオンラインで実施
●2023年度 福島の事業者5社が首都圏の販路を視察する「東京ツアー」を実施
●2024年度 福島の事業者5社が首都圏の販路に売り込む「キャラバン」を実施
【2024年度】
より実践的なビジネスとして、福島の企業が首都圏販路に直接コミットし、販路開拓の精度を向上させることをめざしました。
今年度は、工芸品、金属加工品、ライフスタイル雑貨、食品など様々な商品をもつ企業5社が参加。3名の販路サポーターにご協力頂きながら、約5ヵ月間取り組みました。
◆5社が「キャラバン隊」となって首都圏の販路を訪問し、商品を売り込む機会としました
◆売り込みに有効なプレゼンテーション、営業ツールの作り方、見せ方・伝え方を磨き、キャラバンに向けて準備しました
◆運営委員と販路サポーターが伴走し、参加企業が今後も自走できる形で必要なサポートをご提供しました
◆自社以外のプレゼンテーションも共有し相互に評価し合うことで、「福島チーム」としての繋がりとモチベーションの向上をめざしました

キャラバンは 2025年2月26~27日に実施。福島企業の代表者を都内の販路にご案内しました。販路は業態の異なる4社を設定しました。
◆駅ナカ商業施設内の催事売場
◆仕入れ・卸専用プラットフォーム(国内・海外)
◆百貨店のデザインコレクション
◆書籍と雑貨のコラボレーション販売
福島の企業は自社商品について事前に用意した「商談申込みシート」をもとにプレゼンテーションし、それに対して販路担当者から質問やコメントを受けました。一方、販路担当者は仕入れ方針、販売条件、顧客層、昨今のお客様の購買状況などについて説明し、実店舗の場合は現場視察の時間を設けました。

キャラバンから見えてきたのは、あらゆる販路が共通して重視していることでした。
◆具体的なターゲット設定(単なる属性ではなく、嗜好性やライフスタイルで)
◆チームで出店することの有効性
◆売場作りをどう工夫するか(お客様の目と足をどうやって止めるか)
◆消費者メリットを店頭で端的に伝えるツール(POP、ビジュアル等)
キャラバンをきっかけに、これから市場進出をめざす福島の企業と、多様化する消費者ニーズに応えるために新たな商材を求める販路とのご縁が生まれました。
Co-editチームは引きつづき福島の皆様の販路開拓の機会を探り、キャラバンの成果をフォローして参ります。
【2023年度】
福島から東京の販路を訪ねる“逆ツアー”という新しい試みで、とても有意義な取り組みとなりました。
参加したのは福島のモノづくり企業5社。選任バイヤー3名にご協力いただき、事前に個別コンサルを重ね、値付けや販売条件など売り方のヒント、ブランドづくりの考え方・見せ方・伝え方などについて情報提供や意見交換をしました。
その後、年明けの1月中旬に「東京ツアー」を実施。福島5社の代表者が1泊2日で上京しました。

1日目は展示会形式の交流会を開催。会場に各社の製品を陳列し、販路およびメディア関係者をご招待して交流・マッチングの機会としました。
たくさんのご来場者様にお越し頂き、福島のお酒や軽食を楽しみながら、交流会は和やかに盛り上がりました。
ゲストバイヤーによるパネルトークも開催。同じ「商売の世界」で生きる仲間が一堂に会し、変化の激しい消費市場において「売れるために、明日から何をすればいいのか?」「コレ!という解はあるのか?」「何を大切にするべきなのか?」というテーマで一緒に考え議論しました。


2日目は首都圏の売場視察。郊外型セレクトショップ、雑貨と本のコラボ企画に注力する大手書店、コンセプトの異なる百貨店リビングフロア、駅構内の催事コーナーを訪問し、各売場のご担当者様に丁寧にご案内いただきました。
売場もまた既存の価値観に留まることなく、「どうすればいい?」「次は何をすればいい?」と常に動き続けていることが、現場の熱気とともに伝わってきました。

この事業で Co-editチームが福島の事業者様にご提供したのは、リアルタイムの市場の現況、顧客や売場との向き合い方、ブランドづくり、売り方、見せ方、伝え方のヒント、30社以上の販路・メディア関係者の人脈ネットワークでした。
そして何よりも「モノづくり企業も販路も、同じ商売の世界に生きる仲間だ」と実感できたことが、参加者全員にとって大きな収穫となりました。
「作る人」「売る人」と役割を切り離すのではなく、課題や目的を共有し、得意なことを持ち寄って協業することが、商材を動かすための大きな力になるはずです。
Co-editチームは引きつづき、この事業で生まれた繋がりをフォローして参ります。
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